うつ病の発症に関与し、予後に悪影響を及ぼす孤独感に
対処する必要性があります。現代社会は、孤独な人たちを
大量に生み出す構造を持っていると、言えると思います。
人間関係の希薄さは、孤独の温床となり、うつ病発症の
大きな誘因となります。
　日頃から、人間関係を広げることが、精神衛生上の観点
からも重要なこととなります。人間不信を訴えて、私の
クリニックを受診する人たちを多く見かけます。孤独感と
人間不信を解消する一石二鳥の特効的な方法は、親友を得る
事です。しかし、実際にはそんなに簡単ではない、と反論
される場合が多いようです。
　本当にそうでしょうか？親友は、一人いれば十分です。
私たちの周りには、たくさんの親友候補が存在するはずです。
問題は、数少ない人間関係の中で、自分は人間不信と達観ぶる
人の前に親友が現れることはあり得ないと、認識するべきです。
　いろいろな人間関係を経験しても、親友ができない不幸な
人は、自分は不運であるとあきらめる前に、更なる経験を志向
すべきです。親友の登場を受け身で待つのではなく、誰かの
親友になろうと考えて行動することが、奏功するかもしれません。