患者さんから、よく受ける質問の一つです。
　答えは、ケースバイケースという、不明瞭な結論になります。
病気の性質や、これまでの治療歴や、薬物に対する反応性や、
さらには患者さんを取り巻く環境の如何等、実にさまざまな要因
を検討する必要があります。
　自覚的に病状の安定が感じられる場合には、早く服薬を中止し
たいと思うのは人情ですが、問題は病状がいわゆる見かけの安定
であり、さらなる服薬治療継続が必要な場合です。当科の薬物
治療の方針は、病状安定後は速やかな服薬中止ですが、その場合
には、投与薬剤の漸減中止を原則としています。
　早すぎる薬物の中止は、再発再燃の危険性やさらには、治療
抵抗性の病状を招くなど、いろいろな問題を起こしがちです。
　当科の考え方として、これまでに不十分な治療歴がない場合には、
初診後3ヶ月間くらいで、薬物治療の反応が十分でなければ、新たな
薬物療法を検討します。それでも治療成果が得られなければ、遠慮
なく、他科受診を希望してください。速やかに紹介状の記載をいたし
ます。
　なお、他院で既に多剤大量の処方や不十分と判断される処方や、
さらには副作用をきたす処方などの受けている方は、これらの薬物の
整理に思わぬ時間が必要となる場合も、多いことをご理解いただく
必要があります。　
　その他の質問のある方は、診察時に遠慮なく話してください。できる
だけ、納得されるよう説明を尽くします。