コラム欄login よくある質問 25. 特定の人への対応でストレスを感じたり、落ち込んだりしますが? 当科に受診される患者さんの多くに認められる症状です。そのために、通勤や通学に困難をきたす場合を多く見受けます。場合によっては退職や休職あるいは退学や休学を余儀なくされることもあります。 親や教師など養育や教育に携わる人たちとの人間関係が、その他の人たちとの人間関係に影響している場合があります。この場合には自身の生育環境を見返すことで良好な人間関係を築くことが可能となることがあります。 特定の人に嫌悪感や好感を持つ場合に知っておきたい点があります。それは自分自身へのイメージが他の人達に対するイメージと重なるということです。自分自身に対するイメージと他の人に対するイメージは相互に関係しあいます。自分の嫌う自己イメージを他の人に感じた場合には、相手に対する嫌悪感として表現されます。逆の場合もまた然りです。他の人に好感を持つ場合には、自分の好きな自己イメージをその人が表現するからです。相手は自分を映す鏡のような存在と理解すべきです。 となれば、どのような人たちとも不必要なストレスを感じずに付き合うためには、自分自身に対するネガティブなイメージを変える必要が出てきます。問題は自分の力でどこまでこれが可能かという点にあります。私自身は、経験上、臆せずに多くの対人関係を学習する以外にないと思っています。対人関係を苦も無く処理できるために必要なことです。それが、自身の人間的な成長につながります。「彼を知り、己を知らば、百戦危うからず」とは古今の名言と言えるでしょう。