コラム欄login 自殺について 自殺の是非についての書籍はたくさんあり、いろいろな分野の人たちの意見を見聞きしますが、今一つ腑に落ちるものがないのが現状です。 人生苦の一つである「病」が自殺の動機であれば、例えばうつ病の場合には、しかるべき医学的な治療を施せば、対処可能でしょう。それ以外の場合が問題となりますが、どのような場合にも自殺を正当化することは出来ないと私は考えます。自殺の背景にどのような経済的あるいは社会的困難や、個人に特有の世界観や人生観があってもです。 あらゆる困難や苦痛があったとしても、人生の最大課題である人生の目的追及の努力を無意味とするような愚かで衝動的な行為=自殺は、否定されるべきと私は判断します。道徳や倫理などの表面的な理由からではありません。自殺は本人の自由意志という一見もっともらしい妄想は無意味な理由づけにすぎません。どんな場合にも、自殺は許容範囲を超えた軽率な行為です。真剣に苦の多い人生を生き抜こうと努力する人にとり、私の主張は自明のこととして理解されることでしょう。